macOS 10.13 High Sierra と DisplayLink 技術製品のパフォーマンスおよび互換性について

原文:2017年10月16日: macOS 10.13 High Sierra Significantly Improves DisplayLink Performance & Stability by Marc M.

Plugable 社の技術者にとって、様々なラップトップやデスクトップ PC および 最新 OS と、Plugable 製品の互換性テストや技術検証の文書化をすることは最も重要な仕事の一つです。製品に対して(良きにつけ悪しきにつけ)大きなインパクトを与える新しいオペレーティング・システムが登場した場合には、このような技術検証がさらに重要なものとなります。たとえば最近では、Windows 10 の更新配布に際し非常に大きな動きがありました。Anniversary Update の配布とともに、DisplayLink 技術をベースとした製品が必要とするバーチャル・グラフィックス機能が、OS ネイティブレベルでサポートされるようになったのです。

このブログ記事では、2017 年 9 月に発表された macOS 10.13 High Sierra 上での Plugable 社製 DisplayLink 関連製品の検証結果についてお知らせします。


サマリー
macOS 10.13 High Sierra により、DisplayLink 技術を採用したドッキングステーションやグラフィックス・アダプタ製品は、以前に比べてより良いパフォーマンスで安定した稼働ができるようになりました。このように互換性が向上した大きな理由に、macOS がグラフィックス用 API を Metal 2 に進化させたことがあります。これにより、DisplayLink 技術のような外部グラフィックス機器に対し、システム内蔵の GPU を利用するバーチャル・グラフィックス機能を提供できるようになりました。Metal 2 API は、Late 2012 以降の一部の Mac システム・モデルでサポートされます。この新しい API の恩恵により、外部接続のモニタでが内蔵 GPU のパフォーマンス・レベルに近づきつつあり、Sierra 以前に存在していた多くのバグが解消しています。

しかし依然として、メイン・モニタとして使用するには不十分であると考えられます。


Mac システムで DisplayLink 機器を使用するには、2012 年以降の Metal 2 対応の High Sierra システムに DisplayLink の Mac 用ドライバ・バージョン 4.0 以降を導入する必要があります。システムが Metal 2 に対応しているかどうかは Mac モデルにより異なりますのでご注意ください。 Apple 社が提供している機能要件の中の「Metal 2」欄に、対応しているモデルがリストされていますので参照してください。Apple 社による High Sierra へのアップグレード情報はこちらです。

Mac 用 DisplayLink デバイス・ドライバは、下記からダウンロードできます。
DisplayLink Driver Download Page

High Sierra には、3.x 以前の Mac 用ドライバを導入することはできません。もし以前のバージョンの DisplayLink ドライバが導入されているシステムをHigh Sierra にアップグレードした場合は、4.0 以降のドライバを導入する前に、以前のドライバをアンインストールしてください。

High Sierra と DisplayLink の互換性に関して詳細を知りたい方は、引き続きこのブログをお読みください。

 

背景

私たちは、Mac OSX 10.9 以降から始まった DisplayLink 機器のパフォーマンス劣化問題と様々なバグに関し、ずっと状況をモニターしてきました。 これらの情報やわかっている問題点、DisplayLink 社からの情報などは、下記のブログなどでご紹介してきています。

DisplayLink 製品を使用している場合の macOS Sierra へのバージョンアップについて
DisplayLink 社が Mac OS X 用ドライバ(v2.4 ベータ 1)をリリース
Plugable products on 10.10/Yosemite
Multiple Monitor Issues with OS X 10.9/Mavericks

上記のようなパフォーマンスおよび安定稼働上の問題点により、Plugable 社のほとんどの DisplayLink 技術製品は(限られた例外を除いて) Mac システムでは正式サポートされていません。検証により分かった問題点はにより、USB グラフィックス経由で接続したモニタをプライマリーとして使用するのはほぼ困難であると判断してきたからです。
 

High Sierra により解消された問題

2017 年 9 月 25 日、Apple 社は最新 macOS High Sierra 10.13 をリリースしました。このバージョンには、DisplayLink 機器を使用する際に障害となってきた、以前の Mac OS バージョンまでのパフォーマンスおよび機能上のバグに対する、多くの修正を含んでいます。(macOS Sierra でのバグ情報については、こちらのブログに詳細が記載されています。)

Mac OS X 10.9 がリリースされて以降、Apple 社は重要な問題点から修正し、また DisplayLink 社はドライバレベルでの回避策を講じてきました。しかし macOS Sierra 10.12 になっても、依然としてその多くの問題は残されたままでした。下記にそれらの例をあげてあります。(番号がついているものは、Apple 社がバグと認識しているものです。)

  • ウィンドウやウィジットのタイトル・バーが文字化けする
  • システム・プリファレンス内のミッション・コントロールで「Displays have separate Spaces」を無効にすると、Finder 内が壊れたような表示になる(29825934)
  • ウィンドウを再描画すると、中身が壊れたようになったり一部が欠けていたりする。マップ、iBook や Dock などで発生する(15319693、 19090583)
  • Microsoft Office 2011 などのカーボン・アプリケーションで、ウィンドウの枠線が壊れたようになる(18552488)
  • DisplayLink 経由のモニタにミラーリングしている場合、メニューバーがすべて真っ黒くなる(17703682)
  • DisplayLink 経由のモニタ上で、Apple メニュー・アイコンが表示されなくなる

 

High Sierra 上の DisplayLink 使用について「現在わかっている問題」

High Sierra にはまだ 1 つ重要な問題が残っています。それは、DisplayLink グラフィックス・アダプタをつかって接続したモニタでは、「ミラーモード」にできないというものです。DisplayLink グラフィックスのようなバーチャル・ディスプレイに対して「ミラーモード」設定をしようとすると、macOS 内のウィンドウ・サーバーがクラッシュし、ユーザーがログアウトされてしまいます。ミラーモードを使用したい方に対し DisplayLink 社は、この問題が High Sierra のパッチによって早く修正されるよう、Apple 社に対してバグを報告するよう推奨しています。

DisplayLink 社側は、この問題をバグ ID 33650324 として管理しています。Apple 社のバグ番号は ID 26394372 です。

DisplayLink 社のナレッジベースにこの問題の詳細が説明されています。上記のバグにより、(拡張モードではなく)ミラーモードのモニタが接続されると、macOS 内のモジュールでクラッシュが発生するとのことです。DisplayLink 社は、これを回避するためのユーティリティ(Reset macOS display persistence 1.0)をウェブサイト上で公開しています。該当のナレッジベース記事(英語)はこちらです。

 

High Sierra 用のデバイス・ドライバ

High Sierra 用の DisplayLink デバイス・ドライバは、バージョン 4.0 以上でなければなりません。3.x 以前のドライバは使用できませんのでご注意ください。Sierra ですでに DisplayLink ドライバが導入されていたシステムを High Sierra にバージョンアップした場合、そのドライバは機能しませんが、モニタ側の LED が点灯し続けてあたかも接続が維持されているように見えるるために、非常に紛らわしいことになります。これに関してエラーメッセージなども表示されないので、問題がどこにあるかわからないことがあります。この状況が生じたと考えられる場合は、まず DisplayLink ドライバをアンインストールし、システムを再起動し、4.0 以上のバージョンのドライバを再導入してください。

ドライバ再導入手順について詳細に知りたい方は、こちらのページ(英語)を参照してください。
   

  • Mac 用 DisplayLink ドライバの除去と再導入
  •  

    High Sierra と Plugable 社製ドッキングステーションのパフォーマンス・テスト

    私たちは High Sierra のパフォーマンスを検証するにあたり、Plugable USB Type-C トリプル・ディスプレイ・ドッキングステーション(UD-ULTCDL)と、最新の UD-6950 USB 3.0 デュアル 4K ディスプレイ・ドッキングステーション(UD-6950)を使用しました。検証の結果、High Sierra により USB グラフィックス機能とパフォーマンスが大幅に向上していることがわかっています。(今後、スクリーンショットとビデオを追加する予定です。)

    Plugable UD-ULTCDL ドッキングステーション(UD-ULTCDL>を使うと、3 台までの外部モニタを PC システムに接続することができます。 これを可能とする 3 つのグラフィックス・ポートのうち、 1 つは「USB Type-C 経由 DisplayPort 代替モード」機能に依存し、残りの 2 つは DisplayLink グラフィックス技術を使用しています。またこのドッキングステーションは「USB-IF PD 給電」標準規格に準拠しているため、ドッキングステーションの他の機能、有線イーサネット接続、音声入出力や追加の USB ポートを使用しながら、同時にホスト・システムに給電・充電することができます。

    UD-ULTCDL ドッキングステーション紹介ビデオ:

    Plugable USB 3.0 デュアル 4K ディスプレイ・ドッキングステーション(UD-6950)を使うと、2 台までの DisplayPort モニタを最高 4K@60Hz(3840×2160@60Hz)の超高解像度で接続できます。追加の USB ポート、有線イーサネット接続、音声入出力ポートもついています。従来の Type-A USB ポートにでも最新の Type-C ポートにでも接続できるよう、対応の 2 本の USB ケーブルも同梱されていて便利です。


     

    テスト環境について

    パフォーマンス・テストを実施するにあたり、High Sierra と Mac 用の最新 DisplayLink ドライバによって、Plugable 社のドッキングステーションの使用感や表示パフォーマンスがどのように向上したかを計測するため、いくつかの異なるシナリオを実行してみました。

      テストシステム A: Macbook Retina 12″ Early 2015

    • 1.1 GHz Intel Core M
    • 8GB 1600 MHz DDR3
    • Intel HD Graphics 5300 1536MB
    • 250GB SSD
      テストシステム B:Macbook Pro 13” 2016 Touchbar なし(Thunderbolt 3 ポート x 2)

    • 2 GHz Intel Core i5
    • 8GB 1867 MHz LPDDR3
    • Intel Irs Graphics 540 1536 MB
    • 250GB SSD

    パフォーマンス

    このブログの上記にも記載されているように、以前のバージョンの Mac OS では表示パフォーマンスに問題が生じていました。これを検証するため、まずテストシステムA に UD-ULTCDL ドッキングステーション、下記の 3 台のモニタを接続してテストしました。クリック、ドラッグ&ドロップ、ウィンドウやアプリケーションのオープンを複数モニタで実施しています。

    • DVI モニタ(DisplayLink ポート)
    • 2K HDMI モニタ(DisplayLink ポート)
    • 4K HDMI モニタ(DisplayPort 代替モード・ポート)

    以前のブログ記事でもご説明したように、下記のような問題が DisplayLink ポート経由のモニタでは観察できました。(これらは UD-ULTCDL ドッキングステーションの製品説明にも記載されています。)

    • サファリやアプリケーションのウィンドウをメイン・ディスプレイから移動すると、ウィンドウ内の画像が文字化けのようになった
    • DisplayLink モニタをプライマリにしようとしたり、ミラーリングモードに仕様とすると、アプリケーション・ウィンドウの中身が壊れたり、ぼやけたり、真っ黒になったりした。
    • 動画再生をしようとしたり、複数のアプリケーションを同時に使用しようとすると、表示パフォーマンスが遅くなった

    DisplayPort 代替モード機能により接続した 4K HDMI モニタでは、このような問題は起きません。 これまで私たちは、UD-ULTCDL ドッキングステーションを Mac システムで使用する場合には、この DP 代替モードによるグラフィックス・ポートにメイン・モニタを接続するよう推奨しました。なぜなら、代替モード経由のモニタは、DisplayLink 技術により接続したモニタよりも表示パフォーマンスに優れており、描画上の問題も少ないことがわかっていたからです。

    次に、より高性能な Mac システムでの検証としてテストシステム B でテストしました。非力な MacBook に比べると程度が軽いという差があったものの、ほぼ同じ問題が発生しました。

    したがって、High Sierra が Sierra よりもよくなったとはいえ、プライマリ・モニタとするには依然として不十分だと考えられます。

    結論

    macOS 10.13 High Sierra システムでは、Plugable 社製の最も人気の高い 2 種類の DisplayLink ドッキングステーションが高い性能を示し、Windows システムで使うのと同じようなパフォーマンスに近づきつつあります。以前の Mac OSX や macOS Sierra に比べ、それまで存在していた多くのバグが解決されるか最小化されているといえます。

    以前として改善する余地があるものの、このまま安定した稼働が見込める場合には、Plugable 社製品が近い将来、Mac OSX 10.9 以前と同じように Mac システムを正式にサポートできるようになるかもしれません。

    パフォーマンスの向上と安定性をご紹介するために、macOS High Sierra 10.13 と Sierra 10.12 とのアプリケーション実行時比較ビデオを公開する予定です。

    当ブログ記事や、Plugable 社製 DisplayLink 製品と High Sierra について何かご質問やご意見がある場合には、このページ内のサポートボタンを使用するか、直接メールにて、nihongo@plugable.com までどうぞお知らせください。

    Plugable Technologies
    マーク M