USB-C ケーブルはどれも同じでしょうか?(いいえ、同じではありません)

原文:2020年02月06日投稿: Are All USB-C Cables Created Equally? by Mitchell F

USB-C cable

 

USB-C ポートやコネクタを採用した周辺機器が日ごとに増えてきていますが、これは将来的に周辺機器の互換性が大幅に向上する可能性を示すものです。いずれにせよ、スマートフォン、コンピューター、その他の周辺機器を接続するために、同じ USB-C ケーブルを使うことができるならそれが一番賢い選択と言えるのではないでしょうか?

しかし、現在販売されている USB-C ケーブルには様々な差異があり、事前にある程度のリサーチをせずに、この夢のような「ユニバーサルな」接続性を享受することは叶いません。このブログ記事は、その差異の 1 つの要因である「USB-C ケーブル自身が対応している機能」についてご説明するものです。

全ての USB-C ケーブルが同じ機能を持っているのでしょうか?

いいえ! 普通のユーザーである私たちは、あるケーブルの両端に USB-C コネクターがついていたら、それは USB-C ケーブルだと結論づけてしまいます。それは間違ってはいませんが、現実はもっと複雑です。これまで私たちは、ケーブルの両端が接続したシステムと機器のポートに合致して「物理的に接続ができ(かつ必要なドライバが機能していれば)」、両者は正しく機能するはずだと思ってしまうのが普通でした。USB-C 機器を使う場合には、残念ながらもはや事はそれほど単純ではありません。USB-C というのは「物理的な形状」と「通信タイプ」にすぎず、そのケーブルがどんな機能を持っていてどんな転送速度に対応できるのかは、見ただけでは全くわからないのです。

USB-C ケーブルは、下記の技術仕様に対応することができます。

  1. USB 2.0 (480Mbps)
  2. USB 3.2 Gen 1 (5Gbps)
  3. USB 3.2 Gen 2 (10Gbps)
  4. Thunderbolt 3 (20Gbps)
  5. Thunderbolt 3 (40Gbps)

上記以外にも「電気的にマークされれているか」つまり「e-Marker と呼ばれる極小さな電子チップを内蔵しているかどうか」という差もありまます。もし e-Marker が内蔵されていれば、ケーブルによって USB ホストと周辺機器が接続された機器間で、3A と 5A のどちらの電流を流してもよいかを判別することができます。(訳注:e-Marker は、USB-C ケーブルの必須要件ではありません。)
またさらに上位機種として「アクティブ Thunderbolt 3 ケーブル」という USB-C ケーブルもあり、より高度でユニークな特徴を持っています。
しかしこのブログでは、この 2 点の特徴以外の部分にフォーカスして論じたいと思います。

 

なぜ技術仕様や転送速度が問題となるのですか?

なぜなら、技術仕様や転送速度の差によって実はケーブルには物理的な違いがあり、結果として一見全く同じに見えるケーブルが、全く異なる動作をするからです。

USB 規格の公式な策定団体である USB-IF(USB 実装フォーラム) が公開している「USB-C 技術仕様書」の 28 ページでは、USB 3.2 Gen 1(5Gbps)または USB 3.2 Gen 2(10Gbps)に対応している USB-C ケーブルが、「全機能に対応した(”Full-Featured”)USB-C ケーブル」であると規定されています。

この「全機能に対応した USB-C ケーブル」には、USB 2.0 にしか対応していないケーブルに比べて、実は 10 本も多い内部信号ラインが実装されます(「USB-C 技術仕様書」68、69ページ)。

USB-C cable internal wires

全機能対応 USB-C ケーブルには、USB 2.0 ケーブルにはない「ハイスピード・データ用の信号ラインが 8 本」と「USB 2.0 データ用信号ライン・ペアの 2 本」、合計 10 本が追加されています。

なぜこの追加のデータ信号ラインが重要なのでしょうか? まず、「ハイスピード・データ用の信号ラインは USB 3.2 に対応するための帯域幅として使われる」という点があります。しかしより重要なのは、PC に実装されている USB-C のポートの多くが、ディスプレイ接続にも対応しているという点です。この「VESA DisplayPort 代替モード」と呼ばれ、USB-C にオプションとして追加されたグラフィック機能は、「全機能対応 USB-C ケーブル」が必要だと理解することが大切です。USB-C 経由で接続し、グラフィックポートが最低 1 つついた USB-C ドッキングステーションでこの機能が利用されています。DP 代替モードは VESA(ビデオ電子機器規格団体、Video Electronics Standards Association)による規格ですが、「全機能対応 USB-C ケーブルを使用することが、正しく機能するために必須である」と決まっており、USB-C ドッキングステーションのほとんどはこれに従って実装されています。

私たち Plugable 社も、USB-C 接続によって外部モニタを接続できるようにする様々なタイプの USB-C ドッキングステーションを販売しています。USB-C 接続によるグラフィック接続は以下の 3 つの機能のいずれかを利用しています。

  1. USB-C DisplayPort 代替モードを使用:代替モードでは、グラフィックデータは USB-C ケーブルを経由して GPU から直接送受信されます。このデータ転送には「全機能対応 USB-C ケーブル」が必須です。
  2. Thunderbolt 3 ポートを使用:Thunderbolt 3 ドッキングステーションは、PC 側に Thunderbolt 3 対応の USB-C ポートが搭載されていなければなりません。Thunderbolt 3 では最大 40 Gbps の超高速通信が行われるため、このようなドッキングステーションでは「Thunderbolt 3 認証 USB-C Thunderbolt 3 ケーブル」を使う必要があります
  3. (従来からある)DisplayLink 技術を使用:このようなドッキングステーションには USB グラフィックチップセットが搭載されており、PC に導入されたデバイス・ドライバによってグラフィックデータを生成し圧縮するため、どのような USB ポートやケーブルを使ってもグラフィック出力することができます。フルサイズ USB(Type-A)または USB-C ケーブルで、USB 2.0、3.0 プロトコルに対応したケーブルであれば、どれでも使用できます。DisplayLink 技術によるドッキングステーションの場合、USB ケーブルのタイプを気にする必要はほとんどありません。

もし、USB-C 代替モードに依存しているドッキングステーションを接続するのに、USB 2.0 までしか対応していない、「全機能でない」USB-C ケーブルを使用したらどうなるでしょうか? そのような場合、そのドッキングステーションを経由したどんなモニタも表示することができませんし、場合によっては充電機能も正しく動きません。

 

Plugable USB-C グラフィック製品を使う時に起こりがちなミス

Plugable USB-C グラフィック製品には、例えば「Plugable USB-C ミニ・ドッキングステーション(UD-CAM)があります。あるユーザーの方がこの製品に付属してきた USB-C ケーブルがちょっと短いと思い、たまたま持っていた Apple 社の USB-C 充電ケーブル(2m)に取り換えてみた、というようなケースがありました。残念ながらこの充電ケーブルは USB 2.0 ケーブルでグラフィック出力に対応していないため、ドッキングステーションは正しく機能しませんでした。

全ての USB-C ケーブルがグラフィック出力や充電に対応しているわけではないこと、そしてケーブル自体の機能について製造元が明確に説明していない場合があることに注意してください。

Plugable 社は、10Gbps 転送スピードと充電に対応した「Plugable USB 3.1 Gen 2 対応 USB-IF 認証 USB-C ケーブル(USBC-C100)」をご提供しています。この 1m ケーブルより長いケーブルが必要な場合は、「Plugable Thunderbolt 3 ケーブル 2m 20Gpbs 100W 充電対応(TBT3-20G2M)」が、Plugable 社のどの USB-C ドッキングステーションにも対応しています。


USB-C は拡張性に富んだすばらしい USB 規格ですが、物理的にケーブル接続しても周辺機器が期待通りに動かなければ、フラストレーションの種となりえます。
Plugable 社製の USB-C 対応周辺機器またはケーブルをご利用の際に何か問題や疑問があった場合は、どうぞお気軽に Plugable 日本語技術サポート(nihongo@plugable.com)までメールでお問い合わせください。問題判別のお手伝いをさせていただきます。

USB-C 採用製品について何か困ったことがありましたら、ぜひ私たちにお知らせください!

Plugable Technologies
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