[更新情報有]DisplayLink 製品を使用している場合の macOS Sierra へのバージョンアップについて

原文:2016年09月21日投稿:Plugable suggests DisplayLink users wait on macOS Sierra update by Gary Zeller

2016 年 9 月 20 日に、Apple 社は新バージョンの OS である macOS Sierra(10.12)をリリースしました。どんな OS がメジャー・アップグレードする場合でもそうであるように、OS の新バージョンの提供する新機能はいつも大変素晴らしいですが、一方では、それ以前に販売・使用されていた既存のハードウェアやソフトウェアとの互換性の問題が生じることが多くあります。

[2016年11月21日更新] 最新の macOS 10.12.2 (ビルド 16C41b)のテスト結果によれば、2つの大きな問題点が解消している模様です。DisplayLink ドライバが導入されていても、Mission Control がクラッシュしなくなりました。また DisplayLink アダプタ経由で接続されているモニタの表示画面が一時的に真っ黒くなるという現象の発生頻度も、かなり減少しています。

[2016年11月11日更新] macOS 10.12.2 の最初のベータ版は、DisplayLink関連の問題解決により近づいています。初期テストによれば、10.12.1 では残っていた全画面表示の際に意図せずにログアウトしてしまうという現象はほとんど発生しなくなりました。今後のより最新の 10.12.2 ビルドでも同様であることを期待したいと思います。このベータ版に残る最も大きな問題は、DisplayLinkアダプタ経由で接続されたモニタに、アプリケーション・ウィンドウをドラッグすると、それが真っ黒くなってしまうことです。通常の場合この真っ黒い表示は、画面をクリックしたり、ほかのアプリケーションを前面にしまた戻すなどの作業をすると、ほとんど解消できます。

私たちは今後も MacOS Sierra と DisplayLink の互換性に依存する様々な問題について検証し、Apple 社がこれらを迅速に修正するよう働きかけていく予定です。もしすでに Plugable 社製品をお使いになっていて、Sierra での使用に何らかの問題が生じている場合は、お気軽に弊社サポート nihongo@plugable.com までお問い合わせください。弊社でわかる範囲の情報や対処方法をお知らせいたします。

[2016年10月26日更新]
10.12.1 の公式リリースにより、10.12リリース当初に存在していたパフォーマンス上およびグラフィックス関連の様々な問題の多くが解消されている模様です。しかしながら、Mission Control や ITunes、hot Corners などの様々なアプリケーション画面を最小化するときなどに、ウィンドウ・サーバーがクラッシュすることがある等の問題は依然として残っています。

[2016年10月21日更新]
Beta 2 以降のビルドによって再検証いたしました。Beta 5 では、DisplayLink 製品が一切使用できない等状況が発生しています。詳細については DisplayLink 社の Mac フォーラム(英語)をご参照ください。

[2016年9月30日更新]
下記に記載されている問題点は、Apple 社のSierraのプレリリース更新「10.12.1 Beta 2 Version 1」により大幅に改善されていることがわかりました。Apple 社のベータ・ソフトウェア・プログラムに参加する方法については、下記の「現時点での対応方法」をご参照ください。

問題の背景

Plugable社の提供している Displaylink ベースの USB グラフィックス・アダプタやドッキングステーションを Mac システムで使用するためには、Mac OSX 10.9 Marveriks へのバージョンアップ以来、長い困難な道のりがありました。10.9 により導入された様々なグラフィックス周りの問題点については、ここ数年にわたり幾度かブログ記事として公開しています。

2013/10/22: Mac OS X 10.9 Mavericks に複数モニタを接続する場合の問題点について(英語)
2014/10/22: Mac OS X 10.10 Yosemite 上でPlugable 製品を使用する際の注意点(英語)
2015/03/16: DisplayLink 社が Mac OS X 用ドライバ(v2.4 ベータ 1)をリリース

これらの OS X 10.9 以降に発生するようになった問題点により、Plugable 社は Mac システム上では DisplayLink ベースの製品を使用しないようにお勧めせざるをえませんでした。 しかし、今年販売を開始した UD-ULTCDL トリプル・ディスプレイ・ドッキングステーションについては Mavericks 以降初めて、(USB Type-C ポート付の)Mac システム対応としています。その理由は、このドッキングステーションには DisplayLink ベースのグラフィックス・ポート 2 つと、USB-C DisplayPort 代替モードによるグラフィックス・ポートが 1 つついているからです。DisplayLink ベースの外付けディスプレイには依然としてパフォーマンス上の課題があるものの、主要ディスプレイを代替モードのグラフィックス・ポートに接続することで、主要な問題を回避できると考えています。

DisplayLink による USB グラフィックスが Mac OS X 上ではいくつかの課題を持っていたとしてもなお、Mac ユーザの方々の多くは、複数の外部モニタによるメリットを享受したいと考えていたと思います。また、DisplayLink 社もパフォーマンスを向上させるなど、新規ドライバによって問題解決のための努力をしてきました。それにより少なくとも Mac OS X 10.11 El Capitan までの数年の間に、状況は大幅に改善してきていたといってよいでしょう。

Sierra での検証結果

我々が今回の macOX Sierra 10.12 とそれに対応したとされる DisplayLink Mac 用ドライバ、バージョン 2.6 を検証した結果、大変残念なことにこれまでの DisplayLink 社の努力は水泡に帰したといわざるを得ません。以前のバージョンでは DisplayLink 社のドライバによって解消したとされていた非常に多くの重大な問題が、macOS 10.12 では再現していることがわかったからです。

DisplayLink 社はこれらの復帰してきた問題点について、ウェブサイトで「現在わかっている問題点および制限事項(英語)」として公開しています。また、より詳細な情報はナレッジベース記事(英語)としてまとめられています。下記に、その中でも最もユーザの方に影響があると考えられるいくつかをリストいたします。

  • Safari や App Store などの一部のアプリケーションで、画面内の描画が不完全になる
  • DisplayLink 経由のモニタにアプリケーション画面を移動すると、黒い部分が残る
  • USB 経由のモニタ(DisplayLink 含む)上では、ログイン/パスワード画面の内部が白くなって表示されない
  • 一部のアプリケーションの画面内容や外枠などが正しく描画されない
  • iTunes や Mission Control などの一部のアプリケーションで、画面を最小化するときなどにウィンドウ・サーバーがクラッシュする

DisplayLink 社はこれらの問題を解決するためには、Apple 社へ問題解決をするよう働きかける必要があると考えています。当問題によって影響を受けるとお感じの場合には、
Apple 社に対してバグ報告をするようお勧めいたします。多くのお客様が問題提起をすることにより、Apple 社側の対応方法やスピードが変わる可能性が高いからです。

上記のような深刻な問題点が解消されるまで、Plugable 社の DisplayLink 製品をお使いのお客様には macOS Sierra へのバージョンアップをお待ちいただけますようにお願いいたします。もしこの件についてご意見がありましたら、どうぞお気軽に弊社サポート nihongo@plugable.com までご連絡ください。

現時点での対応方法

対応策1
もしすでに Sierra にバージョンアップしてしまい、それを El Capitan にロールバックしたい場合には、こちらの記事(英語)をご参照ください。

対応策2
10.12.1 Beta 2 を導入してください。Apple 社が提供するこのプレリリース(ベータ)更新により、上記の多くの問題点が解消されています。

ベータ更新を導入する場合、依然としてバグやすでに判明済の問題点が残っていることがある点にご注意ください。DisplayLink 関連の問題点については大幅に解消されていますが、他のアプリケーションなどが期待通りに稼働しないということはあり得ます。

10.12.1 Beta 2 プリリリース更新を導入するためには、 Apple 社の「無料ベータ・ソフトウェア・プログラム」に登録する必要があります。

Plugable Technologies
ゲイリー・ジラー