USB ドッキングステーション使用時のWi-Fi パフォーマンスおよびワイヤレス機器の問題について

原文: 2017年3月17日公開:Troubleshooting Wi-Fi Performance and Wireless Keyboard & Mouse Issues on USB Docking Stations by Bob Boerner

私は以前、お客様からのテクニカル・サポート依頼の中の「すべての方の環境で発生するわけではないが、ごく一般的な使用環境で散見される問題」に遭遇し、時にはその根本的な問題を発見するにいたった実例についてブログ記事(英語)を書いたことがあります。今回は「USB 3.0 機器と WiFi 機能が起こしうる相互干渉の問題」という、同種の情報について述べたいと思います。つまり、これからご説明する当問題はユーザの環境によって、発生したりしなかったりするものです。

実際にあった例をご紹介します。あるお客様が弊社の UD-3900 USB 3.0 ドッキングステーションを使用し始めたところ、ドッキングステーションのすべての機能は期待通りに動いたものの、それまで問題なかった(システム内蔵の)WiFi ネットワークが機能しなくなりました。しかし UD-3900 をシステムから取り外せば、WiFi は元通り機能しました。

この例のような動作は、実は弊社のドッキングステーションでだけでなく、どのような USB 3.0 機器とでも起こりえます。なぜなら、USB 3.0 規格の仕様上、USB 3.0 機器は WiFi 接続の多くが使用している 2.4 Ghz とほぼ同じ帯域の周波数を放出する可能性があり、それらが相互に干渉しあうことがあるからです。言い換えれば、これは仕様上の問題であり、根本的な解決方法がありません。Intel 社はこの状況について、詳細なホワイト・ペーパー(英語)を提供していますので、もしご興味があればご参照ください。

では、もし上記の理由で USB 3.0 機器の使用時に WiFi 接続に問題が生じる状況になってしまったとき、どうすればいいのでしょうか。
お使いになっているシステム構成や接続機器が異なるなど、すべての方の使用環境は同じではありませんので、ただ一つの正解というものはありません。しかし下記のいずれかの方法を使うことで、ほとんどの方の問題が解消できると考えられます。

 

WiFi ネットワーク – WiFi 干渉


オプション 1 – 物理的に遠くに設置する。
システムから、USB 3.0 機器をそのケーブルが許す限り遠くに移動させてください。これによって USB 3.0 と WiFi 機器を物理的に遠ざけ、両者の信号間干渉を低減させます。USB 3.0 機器が WiFi ルータなどのごく近くに設置されていて同様の問題がある場合にも、この方法が役立ちます。

オプション 2 – 別の USB ポートを使用する。
システムに複数の USB 3.0 ポートがある場合、それまで使っているポートと反対側にあるポートに USB 3.0 機器を接続してみてください。これは「オプション 1」と同じアプローチです。内部マザーボードの WiFi アンテナと近い場所の USB 3.0 ポートを使用しないようにすると、問題が解消することがあります。また、もしもシステムに USB 2.0 ポートもついている場合、こちらを使って検証してみるのも役に立ちます。(なぜならこの信号干渉の問題は、データ通信速度が異なる USB 2.0 機器では発生しないからです。)

オプション 3 – USB 2.0 機器として使用する。
USB 3.0 機器を、あえて USB 2.0 機器として使用することもできます。こうするために一番簡単なのは、接続に USB 2.0 ケーブルを使用することです。USB 3.0 機器は USB 2.0 に後方互換性を提供することになっていますので、USB 2.0 ケーブルを使用することで USB 2.0 として稼働させ、信号間干渉を回避することが可能です。

オプション 4 – 5 GHz WiFi を使用する。
現在使用されている WiFi には 2.4 GHz と 5 GHz の二種類があるため、WiFi ネットワーク側を 5 GHz に変更することでも、当問題を解消できます。もしも WiFi ルータと WiFi ネットワーク・アダプタの両方が 5 GHz ネットワークに対応している場合にこのオプションを選択できます。5 GHz 周波数であれば USB 3.0 信号との相互干渉が生じることはありません。

オプション 5 – 別の WiFi チャンネルを使用する。
もし WiFi ネットワークを 5 GHz に変更できない場合でも、「2.4 Ghz のチャンネルを変更する」と効果がある場合があります。WiFi 接続が使用する 2.4 GHz 帯域には、少しずつ周波数の異なる 11 のチャンネルが用意されています。そのうち米国内で最もよく使用されているのは 1、6、11 の 3 つです。使用されている WiFi ルータの取扱説明書などに、チャンネルの変更方法が記載されていることがありますので確認してみてください。もっとも効果的と考えられるのは、今まで使用していたのと一番遠いチャンネルを使用することです。例えばチャンネル 1 を使用していたのであれば、11 に変更してみる、などです。

 

ワイヤレス・マウスとキーボードなど – RF(ラジオ周波数)干渉

上記の手段は WiFi 接続自体の問題解消に役立つと考えられますが、私たちが「RF 干渉」と呼んでいる別の問題が生じることもあります。UD-3900 をご利用の別のお客様のケースでは、当ッキングステーション経由で接続した Logitech 社製のワイヤレス・マウスとキーボードの動きに問題が生じました。マウス・カーソルが、バッテリー切れの際にみられるような変な動作をしたり、キーボード入力が反応しなかったりするという報告が寄せられました。


オプション RF-1 – USB ワイヤレス・レシーバーを、UD-3900 の USB 2.0 ポートに挿す。
上記のユーザのケースでは、マウスとキーボードのワイヤレス・レシーバは UD-3900 の前面のポート(USB 3.0 ポート)に挿されていました。これを、UD-3900 の背面にある USB 2.0 ポートに挿しなおして試してもらったところ、マウスもキーボードも問題なく動作するようになりました。
どうしてワイヤレス・レシーバーを USB 2.0 ポートに挿したら問題が解消したのでしょうか。つまりこの問題も、この記事の初めにご説明した USB 3.0 機器とラジオ周波数の干渉が原因と考えられます。ほとんどの USB ワイヤレス・レシーバーは、多くの WiFi ネットワークと同様、2.4 GHz のラジオ周波数帯域を使用しています。したがって、レシーバーを USB 2.0 ポートに差し込むことで、USB 3.0 信号との干渉を回避できるのです。

オプション RF-2 – USB 2.0 ケーブルを使用する。
レシーバーを UD-3900 の USB 2.0 ポートに移動しても効果がなかったり、(Plugable UD-5900 などのように)ドッキングステーション側に USB 2.0 ポートがないことがあります。そのような場合は、短い USB 2.0 延長ケーブルを使用すると問題が解消できることがあります。実は、多くのワイヤレス・マウスやキーボードには、まさにこの理由のために短い USB 2.0 ケーブルがついてくることがありますのでパッケージをご確認ください。もしそのようなケーブルをお持ちでない場合は、Plugable USB2-2PORT USB 2.0 2-port ケーブル(訳注:日本未発売です)が解決策の一つとなるでしょう。

もし USB 3.0 ドッキングステーションと WiFi およびワイヤレス機器で動作の問題が生じた場合、上記のいずれかまたはその組み合わせを利用して、信号の相互干渉問題を回避することができるはずです。

この情報がお役に立つことを願っています。もし当ブログ記事についてご質問がありましたら、どうぞお気軽に nihongo@plugable.com までお問合せください。

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