結局、どのビデオ・ケーブルが必要?

原文(2015年7月06日投稿):Video Cables Untangled    by Bob Boerner

 

Justin_smallPlugable 社のユニバーサル・ドッキング・ステーション UD-3900 や USB グラフィックス・アダプタなどは、既存の Windows コンピュータに、外付けモニタを追加で接続するときに使用されます。しかし、それぞれの製品でどのビデオ・ケーブルが必要なのか、という点は非常にわかりにくいのが実情です。この記事では、それを整理してみようと思います。

下記は、UD-3900 USB 3.0 ドッキングステーションの背面の一部です。これを例にとってご説明します。

Video outputs of the UD-3900 USB docking station

UD-3900 付属の 2 つのビデオポート

UD-3900 の 2 つのポートのうち、一つは HDMI でもう一つは DVI です。このドッキングステーションは、できるだけ多くのタイプのモニタおよびそのケーブルと接続が可能となるようにと設計されています。いくつか例を見てみましょう。

現在最もよく使用されているのは、下記の写真にあるような標準の DVI および HDMI ケーブルでしょう。「標準」とは、両端に同じタイプのコネクタがついている、という意味です。このようなシンプルなケーブルは、何かそれ自身に不具合でもない限り、問題なく Plugable 社製ドッキング・ステーションで使うことができるはずです。したがって、モニタ接続上の何等かの問題が発生した場合には、まずはケーブルがきちんと差しこまれているかを確認し、さらにそのケーブルとは別の、問題がないとはっきりわかっているケーブルと交換してみることが、問題判別の最初の一歩となります。

Standard DVI to DVI cable

標準 DVI – DVI ケーブル

Standard HDMI to HDMI cable

標準 HDMI – HDMI ケーブル

しかし、上記のような標準ケーブル以外の選択肢も当然あります。たとえば、UD-3900 には DVI – VGA ポート変換アダプタ(ドングル・タイプ)が同梱されています。これを DVI ポートに差しこめば、既存の古い VGA モニタにも、「標準」VGA – VGA ケーブルを使用して接続することが可能となります。

DVI to VGA adapter, two shown so both connectors can be seen

DVI – VGA 変換アダプタ(両方のコネクタを表示)

またこちらはドッキング・ステーションには同梱されませんが、HDMI – DVI 変換ケーブルを使ってモニタを接続することも可能です。Plugable はそのようなケーブルは販売していませんが、弊社の多くのお客様が問題なくこの製品を使っていらっしゃいます。
Amazonベーシック HDMI-DVI 変換ケーブル

上記のような HDMI – DVI 変換ケーブルのよいところは、両方向に送信・接続できることです。UD-3900 の DIV ポートにこのケーブルを差して HDMI モニタを接続することも、HDMI ポートの方に差して DVI モニタを接続することもできます。もしも必要な場合には、Plugable社製の HDMI – VGA 変換ケーブルを使用して、HDMI ポートに VGA モニタを接続することもできます。(アマゾンのリンクはこちらです。)

結論としては、UD-3900 ドッキングステーションは、VGA、DVI、HDMI の 3 つのタイプに接続できるようデザインされており、追加の変換アダプタやケーブルを使用することで、様々な PC 環境に合った構成で接続することができるということです。たとえば、HDMI モニタを 2 台とか、DVI モニタを 2 台、VGA モニタを 2 台を同時に接続することもできますし、それらの違うコネクタ・タイプの組み合わせでも可能なのです。

<訳注>上記を踏まえ、モニタ側の接続タイプに応じたいくつかの例をご紹介します。

例1:UD-3900 に、HDMI 対応モニタと DVI 対応モニタを 1 台ずつ接続する
モニタ1- HDMI ポートに、HDMI ケーブルで接続(HDMI ケーブルは別途必要、モニタに付属してくることもあり)
モニタ2- DVI ポートに、DVI ケーブルで接続(DVI ケーブルは別途必要、通常モニタに付属)

例2:UD-3900 に、HDMI 対応モニタと VGA 対応モニタを 1 台ずつ接続する
モニタ1- HDMI ポートに、HDMI ケーブルで接続(HDMI ケーブルは別途必要、モニタに付属してくることもあり)
モニタ2- DVI ポートに、UD-3900 に同梱される DVI-VGA 変換アダプタを接続し、VGA ケーブルで接続(VGA ケーブルは別途必要、通常モニタに付属)

例3:UD-3900 に、DVI 対応モニタを 2 台接続する
モニタ1- HDMI ポートに、HDMI-DVI 変換ケーブル(別途購入が必要)で接続
モニタ2- DVI ポートに、DVI ケーブルで接続(DVI ケーブルは別途必要、通常モニタに付属)

例4:UD-3900 に、HDMI 対応モニタを 2 台接続する
モニタ1- HDMI ポートに、HDMI ケーブルで接続(HDMI ケーブルは別途必要、モニタに付属してくることもあり)
モニタ2- DVI ポートに、DVI-HDMI ポート変換アダプタ(別途購入が必要)を接続し、HDMI ケーブルで接続(HDMI ケーブルは別途必要、モニタに付属してくることもあり)

例5:UD-3900 に、VGA 対応のモニタを 2 台接続する
モニタ1- HDMI ポートに、HDMI-VGA 変換ケーブル等(別途購入が必要)を使って VGA ケーブルで接続(VGA ケーブルは別途必要、通常モニタに付属)
モニタ2- DVI ポートに、UD-3900 に同梱される DVI-VGA 変換アダプタを接続し、VGA ケーブルで接続(VGA ケーブルは別途必要、通常モニタに付属)

最近のモニタには、「VGA と HDMI」や、「VGA、DVI と HDMI」など、対応できるポートが複数ついていることが多いので、特に接続タイプの希望がない場合には最も「追加の購入が少なくて済む」組み合わせの接続を採用することをお勧めいたします。ただし、一般的に VGA(アナログ)接続の場合は、DVI や HDMI(デジタル)接続ほど画像の品質が良くないことがあります。また採用する接続タイプによって、対応可能解像度に違いがある場合がありますのでご注意ください。

<訳注ここまで>

ここまで、どんな組み合わせなら大丈夫かを見てきましたが、それでは、どんな構成だと無理なのでしょうか?

上記に、「HDMI – DVI 変換は両方向で可能」、と書きましたが、実は重要な注意事項があります。HDMI ではデータと同時に音声シグナルを送信できるのですが、DVI にはその機能がありません。もし UD-3900 ドッキング・ステーションの HDMI ポートを DVI に変換すると、HDMI ポートの音声機能は失われます。DVI ポートを HDMI に変換した場合も同様で、そもそも DVI は音声をサポートしていないため、音声を送信することはできません。

また、別の誤解されがちなものとしては HDMI から DisplayPort への変換があります。ケーブルの両端が HDMI と DisplayPort のコネクタになっているだけの、単純な変換ケーブルを Plugable 社のドッキング・ステーションの HDMI ポートに接続して、DisplayPort モニタに接続することはできません。 これは、通常のパッシブ・ケーブルは、DisplayPort の信号を HDMI へ変換することができても、反対方向の変換ができないためです。HDMI と DisplayPort の規格は、DP から HDMI への一方向にしか変換できない(逆方向への変換は技術的に困難である)ことにご注意ください。

最後の方になると少々複雑になってしまいましたが、この記事が弊社製品と様々なビデオ・ケーブルを使用する際の疑問を解消できることを願っています。
ご質問等がございましたら、お気軽に弊社のサポート nihongo@plugable.com までご連絡ください。

Plugable Technologies
ボブ・ボーナー